「家を持つのは40代になってからでいいよね。」
もともと賃貸派だった私たち。多少の不便さは感じても、いつでも住み替えられて自由な賃貸暮らしに、特に大きな不満はありませんでした。
それでも、仕事や生活のリズムが少しずつ変わっていくなかで、「このまま賃貸で暮らし続けるのが私たちにとってベストなのかな?」と感じる瞬間が増えていきました。
そんな私たち夫婦が、何度も話し合い、悩んで、時には立ち止まりながら最終的に決断したのが、「中古マンションの購入」。
この記事では、「賃貸と持ち家どちらがいいの?」という多くの方が抱える悩みに対して、
・私たち30代夫婦のリアルな迷いと決断のプロセス
・中古マンションを選んだ理由
・賃貸と持ち家、実際に暮らしてみての比較
をリアルな体験談としてまとめています。
これから住まい選びを考えている方にとって、少しでもヒントや安心につながれば嬉しいです。
賃貸生活を続けていた理由と、そのなかで感じた不安

2人ともかたくなに賃貸派だった理由
私たちは少なくとも40代になるまでは賃貸と考えていました。
その主な理由が、
・夫の会社の住宅手当が、40歳になるまで賃料の半額支給される。
・私は当時の職場で仕事を続けるか迷っていた。
・2人で住みたいエリアが決まっていなかった。
・最終的な家族の人数が分からなかった。
なかでも、「夫の住宅手当がとても手厚いこと」が、いちばんの理由でした。
当時、都内の1LDKで10万円を超える賃貸に住んでいました。夫の会社からの半額分の住宅手当と、私の勤務先からの住宅手当を合わせると、住宅費は月々5万円程度。
かなり少なく済んでいたのです。今の多少生活に不便があっても、「40歳までは住宅資金をしっかり貯めて、ゆくゆくはそのお金で新築を購入しよう」と考えていました。
また、私が当時の職場で仕事を続けるか迷っていたこともあり、将来住むエリアの予測が立てられませんでした。持ち家にすると簡単には引っ越しできないので、家の購入には少し慎重だったのです。
長い賃貸生活のなかで感じた不安や焦り
40歳までは賃貸と決めたものの、生活していくなかで、「ここが解消されたらもっと生活が便利になるのに」と感じることももちろん多くありました。
例えば、生活動線が分けられないこと。当時の間取りは寝室とリビングのみ。夫が在宅ワークをしているときに私が休みたいと思っても、終日寝室のベッドにいるしかありません。もちろん、寝室にデスクなどがあれば少しマシだったと思いますが、そんなスペースはありませんでした。
音の問題もありました。夫婦ともに音楽が好きなのですが、賃貸では楽器可の物件でない限り、思いっきり歌ったり、楽器を演奏したりすることは難しいです。趣味の音楽を自由に楽しめないことは2人にとって大きなストレスでした。
おまけに、30代に入るとまわりの友人たちから次々と新居の報告が。「自分たちはこのままでいいのか?」という焦りも出てきました。
お金を貯めること第一に考えて賃貸を選びましたが、何よりも、「30代の楽しい時間を我慢したまま過ごすのは幸せなのか?」という思いがわき起こるようになりました。
【FP視点】賃貸と持ち家どっちがいい?実際に費用を比較してみた

「賃貸は払い損、持ち家は資産になる」──よく言われる話ですが、実際にシミュレーションしてみないと分かりませんよね。
私たち夫婦も、家賃・ローン・固定費・将来の資産価値などを細かく比較してみることにしました。
FPの視点から、賃貸と持ち家を比較する際のポイントも合わせて紹介します。
家賃と住宅ローンのシミュレーションをしてみた
下の図は、「賃貸に住み続ける場合」と「持ち家を購入する場合」の費用比較です。


仮に、「10万円の賃貸」「5,000万円の新築戸建て」という条件にしています。
家を購入すると、毎月の住宅ローン返済のほかに、登記費用、不動産取得税、住宅ローン事務手数料等の初期費用がかかります。最初の手出しはかなり多くなることがわかります。
さらに、毎年の固定資産税や、10~20年おきの壁・屋根などの修繕費用の負担があることも忘れてはいけないポイント。したがって、住宅ローン返済中は、月々の返済額が家賃よりも安かったとしても、賃貸より高くつくのです。(もちろん、もう少し安い家を購入すれば結果は変わりますが……。)
ただし、住宅ローン完済後は住宅費用が極端に少なくなるため、生涯コストは賃貸のほうがおのずと高くなる結果に。
もし、生涯ここに住む!と決められるなら、早めに購入したほうが将来的なコストは下げられます。
さらに、市場価値の高いエリアの場合は、売却価格が高く、途中で住み替えることも視野に入れられます。
なぜ「新築」ではなく「中古マンション」にたどりついたのか
最初は、家を買うなら新築戸建てしかないと思い込んでいました。
しかし、「本当に私たちが求めている暮らしって何だろう?」
その問いと向き合い、視野を広げていくと、意外にも心にすっと馴染んだのが中古マンションでした。
複数のハウスメーカーと打ち合わせを重ねた半年間

せっかく買うなら、綺麗で、最新の設備があって、自分たちの暮らしに合った間取りを選びたい――。最初はそんな理想を描いて、毎週末モデルハウスを巡り、気になる住宅メーカーと打ち合わせを重ねました。
いわゆる大手ハウスメーカーからミドルブランド、安さが売りのところまで、5社以上と話したと思います。暮らしにぴったり合った間取りを設計士に考えてもらったり、家のデザインやキッチンなどの住宅設備を選んだり……楽しいひとときでした。
また、幸い、私は親から譲り受けた土地を持っていました。
(最終的にこの土地をどう活用したかは今後記事にしてアップ予定。)
土地代がかからず、純粋に建物の費用だけなので、見積もり額をかなり抑えられました。どのハウスメーカーの担当者からも「ぜひうちで建てましょう!土地代がない分、住宅にお金をかけられますよ」と積極的に購入を勧められました。
最終見積もりまで打ち合わせしてくれたハウスメーカーもあります。「買います」の一言で、新築が手に入る――。購入寸前まで行きました。
でも、私たちは決めなかった、いや、決められなかったのです。
新築購入を選べなかった理由は○○!【リアルな見積もり大公開】
結論から言うと、私たちが新築購入を踏みとどまった理由は、「お金」でした。
「え?土地があって建物だけ支払えばいいなら予算は安く済むんじゃないの?」
そう思う方が多いでしょう。
実際、その通りです。30坪程度の一般的な広さの家で見積もりを出してもらいましたが、高いところで4,000万円台、安いところで2,000万円台でした(外構を含む)。ちなみに、2024年当時の見積もりはこんな感じです。
| ハウスメーカー | 見積もり額 | 価格帯 |
|---|---|---|
| ヘーベルハウス | 4,600万円 | 高級ハウスメーカー |
| 積水ハウス | 4,200万円 | 高級ハウスメーカー |
| 一条工務店 | 3,900万円 | ミドルハウスメーカー |
| アイ工務店 | 3,500万円 | ミドルハウスメーカー |
| タマホーム | 2,500万円 | ローコストハウスメーカー |
| アイダ設計 | 2,000万円 | ローコストハウスメーカー |
2,000万円台のローコストメーカーを選べば、新築でもかなり安く購入できます。ただ、私たちの目にはこれが魅力的に映りませんでした。
「建物の価値は10年で半額、20年で0円。引っ越すかもしれないのに、上物だけに何千万円も払う覚悟が本当に自分たちにあるのだろうか?」
そんなふうに思いました。理想の暮らしを手に入れるのは夢だけれど、「気軽に移動ができてそれを実現できる方法はないだろうか?」と考えるようになりました。
「資産性」「立地」「移動の自由度」で選ぶなら、中古マンションが最有力
考え方を少し広げて、中古マンションも見に行ってみよう――。
最初は軽い気持ちでした。戸建の間取りに見慣れてると、マンションの3LDKはどうしても狭く感じますが、「今の夫婦2人暮らしなら十分、むしろ理想的」と感じました。
何より引っ越し可能性がある私たちにとって、中古マンションの「物件価格が下がりきっていて、売却しても購入価格と同じか少し下がる程度の可能性が高い」点は非常に魅力的でした。
さらに、中古マンションは駅近など立地が良い場所にあることが多いです。
考えれば考えるほど、中古マンションという選択肢が私たちに合うような気がしました。
買う?まだ待つ?夫婦のリアルな話し合い
ここからは、私たち夫婦が中古マンション購入を決めるまでに、実際に考えたポイントや悩んだ点についてお伝えします。
理想的な中古マンションが見つかった!FPの私が重視した8つのポイント

中古マンションを選ぶ際に私たちが重視したポイントは、次の8つです。
①駅から10分以内
②駅の規模が大きく、ショッピングセンターがあるエリア
③楽器可、ペット可
④管理費・修繕費が安い
⑤近くに大きなスーパーがある
⑥3階以上、南向き
⑦旧耐震物件でない
⑧都心へのアクセスが良い
特に、将来的に手放すことを考えていた私たちにとって、①は最重要。誰が見ても住みたい場所にある便利なマンションなら、たとえ中古でも売却や貸し出しがしやすくなると考えたからです。
家賃相場を調べたとき、駅近の物件は築30年以上でも家賃が下がらず高いままでした。
ただし、築年数が古すぎる旧耐震物件だと、住宅ローンを組めない関係で売却価格がガクンと下がっていました。そのため、「⑦旧耐震物件でない」ことも重視。
中古マンション探しを始めてから10か月くらい経った頃。2人とも「ここだ!」と思う物件に出会いました。
上記のポイントをすべて満たしている上、次のメリットがありました。
・部屋からの眺望が良く、視界が開けている
・フルリノベ済みで設備が最新
・防音効果が高い
フルリノベ済みなので若干価格は上がるものの、同条件の新築マンションを購入するよりはるかに安かったです。また、売却や貸し出す際にも自分で改めてリノベしなくて済むので、むしろ好都合だと思いました。水回りやキッチンが古い設備は借り手がつきにくくなってしまいます。
防音効果が高い点も魅力でした。いくつかマンションを見学した際に、新築であっても壁が薄めで音が響きやすい建物もありました。のちの騒音トラブルにつながりやすいので、見学する際はぜひ確かめてみてください。
予算よりも高い!本当に今が買い時?夫婦で何度も悩んだ
一方で、次の点に悩みました。
①予算よりも高い
②周辺のマンション価格が落ち着いてきている傾向。待てば下がる?
予算よりも1,000万円程度高かったので、即決できませんでした。
また、コロナ明けから急速に上がっていた周辺のマンション価格が少し落ち着いてきている傾向にあったので、「このまま待てばもう少し下がるかも?」という期待も。
ただ、最終的に決めた理由はすごくシンプル。「見た瞬間、ここに住みたいと思った」からです。
見学してから1週間くらいでしょうか。ついに私たちは中古マンションを購入することにしました。
実を言うと、交渉で大幅に値引きしてもらったというのも大きかったです。中古マンションを値引きした裏ワザが知りたい方はこちらの記事をご覧ください♪
購入した中古マンション。賃貸と比べて暮らしはどう変わった?
・料理や趣味を十分にできる広さがあり、生活が楽しくなった
・寒さや暑さに悩むことなく快適に暮らせる
・スペースを気にせず、好きなインテリアや家具を買う楽しさを実感
・お金を貯めることに注力しなくてよいので、気持ちがラクになった
中古マンションに暮らし始めてまず感じたのは、賃貸のときより生活そのものが心地よくなったこと。
これまでキッチンが狭くて思うように料理ができなかったり、趣味の音楽活動を十分に楽しめなかったりしましたが、今の住まいではその不便さが一気に解消。毎日のやりたいことが、ちゃんとできる暮らしになりました。
さらに、冬の底冷えや夏の暑さに悩まされないのも大きな変化です。中古マンションといえど、断熱性はしっかりしています。南向きなので、冷暖房をあまりつけなくても部屋はいつも快適。
広さにゆとりがあるからこそ、インテリアを選ぶ楽しさも増えました。「これを置いたら部屋が狭くなる」「収納するスペースがないから買わない」とあきらめなくてよいのです。
また、賃貸の頃と違って、新居のために無理してお金を貯めなくていい。そんな心の余裕ができたことは、暮らし全体の満足度につながっています。
経験してわかった、賃貸に向いている人・持ち家が合う人

賃貸と持ち家、どちらが正解ということはありません。
実際に比較検討し、購入後の生活も経験したからこそ、「向いているタイプ」「相性のよさ」があると実感しました。
ここからは、住まい選びに後悔しないために、賃貸・持ち家それぞれの向いているタイプを紹介します。
賃貸のほうが幸せになれる人の特徴
賃貸がぴったり合うのは、暮らし方の柔軟さを大切にしたい人。
・引っ越しや住み替えを気軽に楽しみたい
・転勤・転職の可能性がある
・将来のライフスタイルがまだ見えていない
・固定資産税や修繕の負担を背負いたくない
・空間にそこまで強いこだわりがない(内装はほどほどでOK)
これらが当てはまる人は、人生の変化に合わせて住まいを変えられるほうが大切です。
持ち家のほうが安心できる人の特徴
持ち家が合うのは、暮らしの安定や安心感を大切にする人。
・落ち着いた住まいで腰を据えて生活したい
・インテリアや間取りに強いこだわりがある
・将来的な家の固定費を下げたい(月々の支払いを資産にしたい)
・子育て、趣味、ペットの飼育などをストレスなくできるようにしたい
暮らしを十分に楽しみたい、空間づくりにこだわりたい人にとっては、持ち家のほうが精神的な満足度は高くなるでしょう。
また、持ち家はそれ自体に資産性がありますが、特に中古マンションの場合、価格が安めなので負担が少ないまま、家としての快適さと資産性を両立できます。
賃貸vs持ち家|どちらを選んでも後悔しない考え方のポイント
賃貸と持ち家、どちらがよいかはその人の年齢や収入、ライフスタイルによります。そのため、ここでは、実際に住み比べた経験とFPとしての視点を踏まえながら、どちらを選んでも後悔しないための考え方を紹介します。
①「今の自分」だけでなく「5〜10年後の自分」もイメージする
家は長く関わるもの。未来の働き方・家族の状況も合わせて考えると、決断がぶれにくくなりますよ。
②数字と気持ちの両方を大事にする
月々の支払いだけでなく、心の満足度や安心感も住まい選びの大事な要素。
③完璧な選択より、納得できる選択を
どちらにもメリットとデメリットがあります。「自分たちはどんな価値観を優先するか」を明らかにしましょう。そして、その価値観に合っているかが一番の判断材料です。
④動いてみると、答えが見えやすくなる
実際に物件を見たり、ローンシミュレーションをしたりするのも◎。自分たちが大事にしたいものが自然と浮かび上がってきますよ。
住まい選びは人生の大きな転機ですし、誰もがたくさん悩みます。ただ、自分に合ったほうを選べば後悔はありませんし、それが正解なのです。
まとめ|正解は「家」ではなく「何を重視するか」にある
この記事のポイント
✅中古マンションの購入は、私たちのライフスタイルと価値観に合う選択だった
✅暮らしの柔軟さ重視の人は賃貸、安定・安心感重視の人は持ち家
✅自分たちが「何に価値をおくか」を明確にして住まい選びをすると後悔がない
振り返ると、中古マンションを選んだのは、私たちのライフスタイルや価値観にいちばん合っていたからでした。
広さや立地、資産性はもちろん、「どんな気持ちで暮らしたいか」「人生で何を大切にしたいか」という視点で考えたことが、後悔しない決断につながったのだと思います。
住まい選びに「絶対の正解」はありません。
大切なのは、自分たちが何を重視するのかを明確にすること。
その軸さえぶれなければ、賃貸でも持ち家でも、中古でも新築でも、自分たちの暮らしにぴったりの答えに出会えるでしょう。
あなたの毎日が、今よりもっと心地よく、楽しくなる家に出会えますように。



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